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トカラ塾からのお知らせ(2016年)

*第25回ナオの南風語りのお知らせ

場所:武蔵野市御殿山コミュニティセンター 第1会議室(1F)

日時:2016年11月26日(土)午後2時~4時

費用:持てる者は持てるだけ(カンパ制)

講師:稲垣 尚友(民俗研究者)

内容:VTR『廣島一夫の仕事』上映

「オリ(俺)が作るカゴは見るためのものじゃねえとよ。使うためのものじゃ」
「これは金にならん、というのは人間の愚痴じゃ」
「技術も大事じゃけんど、人間として、正直が一番強いんじゃから」

このほかにも多くの語録が遺されいるのだが、どれもが時代を鮮明に映し出しているのだった。宮崎県の山村で竹カゴ作りを生業として、三年前に九十八歳の生涯を閉じた廣島一夫さんが語ってくれたものである。

生前の翁を知り、その生涯を慕う者たちの願いがかなって、今年の十月から十一月にかけて、東京都文京区の画廊・けいあんで、故人の手になる作品群が展示された。会期中に、故人の薫陶を得た若手のカゴ職人たちが、在りし日の翁を語ってくれた。

今月のトカラ塾ではその語りの記録を映像で紹介する。
当日の映像解説もナオが担当する。

乞う ご期待!!
皆様、お気軽に参加ください。

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*第46回南島学らいぶとーくのお知らせ

テーマ: トカラ・インド・ヤマギシ・飼料屋と流転し 「無所有」にして年商6億円の不思議を‏生きる。

講師:福田敏朗(飼料会社経営)

集合:3月25日(土)14:00-16:00

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター 和室 長寿・長楽(2F)

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

19歳で出会ったトカラの風景、2年間のインド放浪の旅、山岸会での25年の暮らし、そして、ヤマギシを離れ、土方から始まった 人生の再スタート。

「無所有」にして年商6億円の不思議を‏生きる、福田敏朗氏に 語ってもらう。

《講師メッセージ》
当時、まだ19歳だったとおもいます。私はトカラ列島の諏訪之瀬島に よく行っていました。火山探検家や友人に誘われてグループトカラに 参加していました。

私は友人を誘い、私と彼はグループトカラの個性豊かなメンバーの影響 を受け、その後の人生が大きく変わりました。 私はヤマギシズムに参加し、友人はインドで出家してしまいました。

私は23歳頃からヤマギシに関わり、とうとう25年間『無所有・一体生活』 という一般の社会とは違う仕組みの村で暮らして来ました。

2007年熊本県阿蘇郡西原村へ移住しました。同時に岡山県で友人と畜産農家の 餌代を安くする飼料会社を立ち上げました。現在はなんと年商6億です。 自宅の阿蘇と会社のある岡山、そして仕事で全国を回っています。

………そして、今、思うこと。

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*第45回南島学らいぶとーくのお知らせ

テーマ: 熊野漁師の仕事・築地仲卸の仕事から学ぶこと

講師:加藤芳朗(トカラ塾青年団、築地市場仲卸業者)

集合:2月26日(日)13:50(たつみ鮨の前)

会場:シェアフラット築地 共有スペース(5F) 地図
   東京都中央区築地2-6-5(たつみ鮨という寿司屋のあるビル)

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

《講師メッセージ》
2015年11月から約1年半、三重県熊野市に住み定置網漁師として生活しました。
漁船に乗ったことはない、網の引き方もわからない状態でのスタートでしたが、頼りになる海の男達に囲まれ、かけがえのない経験を積むことができました。

そこから、移転問題に揺れる築地市場に飛び込んで、もうすぐ1年。
流通の観点からみると全く異なる魚の世界に戸惑い、疲れながらも、新しい発見を楽しむ毎日です。

当日は、熊野での漁師、築地での仲卸それぞれの生活風景を、写真と当時に書いた日誌を元にお話ししたいと考えております。
特に豊洲への移転問題というタイムリーな話題については、仕事で関わる人たちから聞いた生の声をお伝えし、それに対して皆様の意見も伺えればと思っています。
よろしくお願いします。

皆様、お気軽に参加ください。

《会場について》
シェアハウスの共有スペースでの開催になります。
入口にロックがかかっていますので、中に入るには解錠する必要があります。
●時間通りにいらっしゃる方
 たつみ鮨の前に13:50にお越しください。
●遅れていらっしゃる方
 事前に、当日の連絡先について 連絡メールアドレス までお問い合わせください。

*第44回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター 和室 長寿・長楽(2F)

日時:2016年9月24日(土)14:00~16:00

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:中川美帆(郷土映像ラボラトリー)

テーマ:民俗記録映像『武州藍』(映画上映) ―映像の力と上映ワークショップ活動―

《作品紹介》
さいたま県では昭和30年代に行われなくなった藍栽培。
藍は徳島県が大生産地。埼玉県では江戸時代後期に藍作をするようになった。
元々藍染は山藍という野性の藍を採集して生葉で染めたものである。
文書に残る武州の藍作の記述は天正18年紺屋を組織し役銭を取り立てている記録がある。
江戸という大消費地をひかえて、周辺の農家は藍をつくり、木綿を織り、染めていたことが伺える。

《講師メッセージ》
この作品は昔ながらの藍づくりの再現を通し職人の一連の工程だけでなく、職人の技と共に受け継がれてきた思いや祈りを知ろうとした試みの記録です。
映像ですので、地域の風土に根付く暮らしや景観も垣間見ることができます。
わたしも主宰する会で映像やワークショップで追体験の場をつくっています。
当日は上映ワークショップ活動の様子のお話し、そしてみなさんとの意見交換を楽しみにしています。

乞う ご期待!!
皆様、お気軽に参加ください。

*第24回ナオの南風語りのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター 3F 和室「梅」

日時:2016年7月30日(土)午後2時~4時

費用:持てる者は持てるだけ(カンパ制)

講師:稲垣 尚友(民俗研究者)

内容:青海丸流転 ―臥蛇島のハシケ青海丸と島民の高度成長に翻弄された漂流記―

1970年(昭和45年)のこと、田中角栄政権下で、トカラ諸島のひとつである臥蛇島が無人島になった。
国内では「列島改造論」が大手を振ってまかり通っていた。
行政の効率化を目指して、人口の少ない島々の整理統合がすすめられていたのである。

臥蛇島の最後のハシケ舟である青海丸は、島民同様、人為に翻弄され尽くされる結果となった。
積載量がわずか0・75トンの小舟であるが、無人になった後の所有者がめまぐるしく変わる流転劇は、島の共同体そのものの流転でもあった。

流転劇は多岐にわたる問題を抱えているので、二ヶ月に渡る連続講話とさせていただきます。

乞う ご期待!!
皆様、お気軽に参加ください。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第43回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター第2会議室(3F)

日時:2016年5月27日(金)午後6時~8時 (※何時もの土曜日と違いますのでご注意ください)

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:新里貴之<しんざと たかゆき>(鹿児島大学埋蔵文化財調査センター)

テーマ:横当島 ―よはてん,よあて,ゆわてー,よーてー,よこあて,おがみ,クレオパトラ・アイランド―

横当島は有史以来,無人島とされてきた。
たしかに恒常的な人の生活の場ではなかったが,釣りなどのレジャーや漁業地として,あるいは調査地として選定され,何度も人が渡島している。
稲垣尚友さんも1967年,国土地理院の調査に随行して6泊7日間渡島し,横当島の数少ない貴重な情報を記録している。
私は2014年に初めて渡島することができ,沖縄の近世の焼物である壺屋焼を採集することができた。
なぜこの焼物がここにあるのかを調べ始めて毎年渡島するうち,この島が意外にも面白い歴史をもっていることを知ることができた。
今回,中間報告ではあるが,江戸時代から昭和にかけての隠れた歴史を紐解き,横当島の特性を明らかにしてみたい。

乞う ご期待!!
皆様、お気軽に参加ください。

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*第23回ナオの南風語りのお知らせ

場所:武蔵野市御殿山コミュニティセンター 和室よしきり(1F)
※いつものコミセンと違います。会場は御殿山コミセンですので ご注意。

日時:2016年6月25日(土)午後2時~4時

費用:持てる者は持てるだけ(カンパ制)

講師:稲垣 尚友(民俗研究者)

内容:青海丸流転 ―臥蛇島のハシケ青海丸と島民の高度成長に翻弄された漂流記―

1970年(昭和45年)のこと、田中角栄政権下で、トカラ諸島のひとつである臥蛇島が無人島になった。
国内では「列島改造論」が大手を振ってまかり通っていた。
行政の効率化を目指して、人口の少ない島々の整理統合がすすめられていたのである。

臥蛇島の最後のハシケ舟である青海丸は、島民同様、人為に翻弄され尽くされる結果となった。
積載量がわずか0・75トンの小舟であるが、無人になった後の所有者がめまぐるしく変わる流転劇は、島の共同体そのものの流転でもあった。

流転劇は多岐にわたる問題を抱えているので、二ヶ月に渡る連続講話とさせていただきます。

乞う ご期待!!
皆様、お気軽に参加ください。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第22回ナオの南風語りのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター第2会議室(3F)

日時:2016年1月30日(土)午後2時開始

費用:持てる者は持てるだけ(カンパ制)

講師:稲垣尚友(竹大工・作家)

内容:島の二重生活者 その(二)——不時着飛行兵

昨年取り上げた「その(一) 遠島人」に続く第二弾です。

昭和十九年に始まる旧日本軍の戦術として、「特攻」があります。その攻撃法は退路を断たれた体当たり作戦でした。一度の作戦で人的、物的被害の最大なものは戦艦大和の「特攻」で、六万四千トンの艦船に三三三二人の戦闘員が乗船し、沖縄へ向かいました。途中、トカラ沖で米軍機の猛攻撃に耐えられず、撃沈されます。救出されたのは二百六十九人でした。終戦の四ヶ月前のことです。

それ以降は「特攻機」による、敵艦への体当たり作戦が多用されました。人的消耗はさらに激しさを増しました。戦闘員は二十歳を超えたばかりの若者たちです。「お国のため」に生きては帰れない身を覚悟して、トカラの島々の上空を南下して沖縄へ向かうのです。が、途中でエンジントラブルが続発し、不時着機が後を絶ちません。中之島では同じ日に四機が不時着しています。臥蛇島には、満州からの飛行機も降り立ちました。また、エンジン不調という表向きの理由以外にも、けっして口外できない事情から、命がけの不時着をこころみた若者もいます。その兵士たちが原隊に復帰した場合にどういう視線が投げかけられたかについては言を俟ちません。

不時着飛行兵たちはどのような心情を抱え、軍隊と島民双方に対して「護国の鬼」を演じ続けたのか?……九十歳を超える元不時着兵の証言を紹介しながら、彼らの島内滞留中の二重生活の実態を検証してみようと思います。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第42回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター第2会議室(3F)

日時:2016年4月23日(土)午後2時~4時

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:橋爪 太作 (人類学・社会研究学者)

内容:「地」が動く: 日常、出来事、他でもありうること

メラネシアという言葉から皆さんはどんなことを思い浮かべるだろうか。

仮面、呪術、カーゴ・カルト、クラ交換などのイメージは、始原から変わらぬ神話的思考に従う、歴史なき「未開社会」というニュアンスをまとっている。

だが、一歩内側に入ってみると、彼らの社会は私たちのそれ以上に、無数の出来事で満ちあふれている。突如襲い来るノミの大群、繰り返される血讐、ご先祖になりそこなった亡霊の出現、海上に突如現れた見事な虹......。

無数の出来事が再び日常に回収されることは確かだが、同時にどこかで割り切れぬもの (odds) を残していく。

割り切れぬものを日々感じて暮らしている人々は、自分たちがそれを当然のようにして生きている生活の「地」がいつかひっくり返され、全く別様な何かに変わってしまうことをどこかで予感している。

ニューギニア島嶼部のある部族などは、大地に埋まった大木を根こぎにして逆さまに突き立てる儀礼を行うことで、この感覚を形象化しているほどだ。 こうした感覚は私たちとは遠い異国のそれだろうか。

「地」が動き、どこかで怪しいと感じつつも当たり前のように生きてきた日常を支えるものが、予測不能な形で露わになる......。

メラネシア人たちが作り出すイメージの向こう側に、3月11日の大地震と3月15日の福島第一原子力発電所2号機の (未だに原因の分からない) 圧力容器爆発回避を経験した私たちの姿が、不気味に浮かび上がるようだ。

乞うご期待!!

皆様、お気軽にご参加ください。

*第41回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター第2会議室(3F)

日時:2016年3月26日(土)午後2時~4時

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:石塚雅彦(ジャーナリスト)

内容:トカラから奄美への船上での思い

昨夏、鹿児島から乗ったフェリー十島で、鹿児島に近いある島に2、3日滞在した後、トカラの島々に点々と寄港しながら名瀬まで十数時間の船旅をしました。

私は今はやりの言葉でいえばグローバルなキャリアの人間で、新聞記者として30~40か国を訪れ、ニューヨークや香港に住んだこともあります。

しかしトカラ沿いに奄美にむかう船から海、空、島影を眺めながら、ある思いに打たれました。人生の終りになって、稲垣ナオさんが言う二重生活の人生だったことを強く意識したことです。

気持ちの上で常に中央と末端の間を往き来してきた。奄美にいる間その思いはさらに強まりました。

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*第40回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター和室1(2F)

日時:2016年2月27日(土)午後2時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:稲垣一雄(民俗・沖縄研究家)

内容:沖縄先島の島唄と人頭税

沖縄・宮古島、八重山の先島には島唄といわれる民謡が豊かだ。農作業、祭り、人生儀礼と生活の中で島唄は生まれ育まれた。

同時に歌は為政者を揶揄したり、一揆を鼓舞したり、抵抗するときの象徴として世界どの国でも機能してきた歴史がある。宮古島・八重山の島唄も例外ではない。沖縄民謡で一番知られている八重山・竹富島の島唄『安里屋ユンタ』は島を支配する那覇王朝の役人を揶揄する唄だ。

悪名名高い人頭税、琉球王国の支配体制、土地制度等を島唄を糸口にみていきたい。薩摩藩ひいては幕藩体制さらに東アジアと東南アジアの接結点としての琉球弧を描ければと思う。

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トカラ塾からのお知らせ(2015年)

*第39回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター和室1(2F)

日時:2015年11月21日(土)午後2時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:橋爪太作(人類学・社会学研究者)

内容:メラネシアから世界を覗く:現代ソロモン諸島の人と暮らし

南太平洋に位置するソロモン諸島は、日本では太平洋戦争の激戦地として知られていますが、日米両軍が戦うはるか以前から、この土地には人が居住し、独自の慣習を営んできました。近代文明と貨幣経済が浸透した21世紀の現在でも、この社会には私たちのそれとは異なる常識・実践が脈々と息づいています。

この地での研究を志した私は、本格的な調査に向けた予備調査として、今年5月に3週間ほど滞在しました。今回はその時撮影・録音した素材をお見せしつつ、私の目に映ったソロモン社会の姿をお話ししたいと思います。

中国人商人の車に投げつけられる石礫、戦争遺跡の周りで囁かれる途方もない富のうわさ、精霊の棲む島に逃げ込んだ難民たち……グローバルな力とローカルな力が混ざり合う汽水域に生きる現代ソロモン人たちの姿は、単なるエキゾチックな「未開人」でも、はたまた普遍的な「近代人」でもなく、むしろ私たち自身の背中を映し出しているようにも思えます。

時間の関係で具体的な体験談が中心になるかと思いますが、そうした個々の事例の背後にある、「異なるもの」を経験し思考する人類学という学問の意味について少しでもお伝えできたらさいわいです。

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*第38回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:武蔵野市御殿山コミュニティセンター第1会議室(1F)

日時:2015年10月31日(土)午後2時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:有末賢(慶應義塾大学法学部教授)

1953年東京生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。

稲垣尚友さんとは『悲しきトカラ』(未来社、1980年)を読んで以来ファンになり、1990年ころに初めて接触した。91年には鴨川の焼ける前の御自宅にもお邪魔して、インタビューをしたこともある。稲垣さんについての個人生活史研究をいくつか書き、博士論文にまとめたものを『生活史宣言―ライフヒストリーの社会学―』(慶應義塾大学出版会、2012年)として上梓した。他に共編著で『被爆者調査を読む』(慶應義塾大学出版会、2013年)、『死別の社会学』(青弓社、2015年)など。

2003年に妻と死別、2005年再婚など、私自身のライフヒストリーも、稲垣さんの生活史と重なるものがある。

内容:個人生活史研究と稲垣尚友氏:民間学について

生活史研究は、社会学、文化人類学、オーラル・ヒストリー研究、臨床心理学など様々な領域と重なりながら、インタビューなどの質的調査法によって、対象者を浮き彫りにしようとしてきた。都市・地域とか、家族とか社会問題などへの関心ももちろんあるが、中心は、ある個人の生き方や生きてきた経験そのもので ある。

稲垣尚友さんは、トカラ諸島、平島での生活経験を通して、「人への関心」を持続し続け、人間の「おもしろさ」を表現してきた。しかも、ご自身の生活史が刻み込まれた人間観察である。

私は、稲垣尚友さんの「学問」「生き方」に日本の「民間学」の系譜をしっかり見ることが出来ると思う。

その点を中心にお話してみたい。

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*第37回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター和室1(2F)

日時:2015年9月26日(土)午後2時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:松尾民夫(元東宝カメラマン)

1957年、東宝撮影所製作部技術課入社。以後、1993年 まで映画製作に携わる。撮影スタッフとして手掛けた劇映画は約58本。さらに80年から93年までは製作部スタッフとして制作・技術などの企画・調整・仕上げを担当。

黒澤作品には『悪い奴ほどよく眠る』(’60)から『影武者』(’80)、『まあだだよ』(’93)まで、撮影・製作の両方で約30年にわたって参加。また、成瀬巳喜男(『杏っ子』) や岡本喜八(『激動の昭和史沖縄決戦』)、森谷司郎(『日本沈没』)、市川崑(『細雪』)ら戦後日本映画を代表する巨匠たちとも仕事を共にする。

キャリアを通じて関わった劇映画は100本を超える。

内容:銀幕の向こう側:元東宝カメラマンが語る戦後日本映画の舞台裏

敗戦の焼け跡から再び立ち上がった日本映画は、瞬く間に世界的に評価される芸術となりました。そんな映画黄金期の1957年に東宝のカメラマンとしてキャリアを始めた松尾さんは、その後、戦後日本を代表する監督の一人である黒澤明氏の作品に、約30年にわたり携わっていくことになります。今回は松尾さんと黒澤作品との長年の関わりを軸にしつつ、その間にご自身が一スタッフとして見て来られた戦後日本映画の歩みを、きら星のごとき大スターや巨匠の逸話を織り交ぜながら語っていただこうと思います。

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*第36回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター第一会議室(3F)

日時:2015年7月25日(土)午後2時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:長井治(編集者)

内容:自転車で旅した被災地の風景

2013年の春、震災3年目の三陸海岸を自転車で縦走し、被災地の全部を見てこようという欲ばりな衝動に駆られました。

とはいえ三陸海岸は北上高地のあの山並みの向うで、はっきり言ってとても不便なところで鉄道も完全復旧していません。

それでもリアリィティのある思考をするためには現場を見るしかないと思ったのです。

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*第35回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター第一会議室(3F)

日時:2015年6月27日(土)午後2時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:大越元

内容:「大きな仕事」から「小さな仕事」へ

23 歳、新卒で大手メーカーへ就職。4 年半を"硫酸売り"(化学薬品である硫酸の営業)として働いた後、転職。「生きるように働く人の求人サイト」日本仕事百貨へ。編集者として木工職人からデザイナーまで、日本全国の仕事を訪ね歩いています。

30 歳を迎える今年、家業であるアサヒ薬局が廃業予定。くすり屋を継ぐことを模索中。
わたしの仕事から、わたしたちの仕事を考える日になればと思います。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第21回ナオの南風語りのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター第2会議室(3F)

日時:2015年5月30日(土)午後2時開始

費用:持てる者は持てるだけ(カンパ制)

講師:稲垣尚友(竹大工・作家)

内容:平島のマラーノ(二重生活者)たち——遠島人、受洗帰島者、不時着(脱走)飛行兵、教員、Iターン者

キリシタン信仰を表面では棄てても、デウスを拝み続けた隠れキリシタンたち。海の向こうのイベリア半島には、マラーノと呼ばれる隠れユダヤ教徒がいた。どちらも二重の顔を用意している。

わたしがトカラの平島で暮らしていたとき、若者のひとりがわが家に怒鳴り込んできた。「おまえを包丁で刺す」と息巻く。島の内情を外に暴露した裏切り者として糾弾された。その糾弾は執拗に続き、わたしは怯えた。それ以降、二重生活がわたしを虜にする。「二重」認識の出発点に立ったわけである。

今回の講話は第1回目で、続いて2回目を来年の1月に行います。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第34回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター第一会議室(3F)

日時:2015年4月25日(土)午後2時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:松崎運之助(教育者・元夜間中学教師)

1945年中国東北部(旧満州)に生まれる。生後直ぐ母に背負われ失意の底の引き上げ。原爆地長崎・繁華街のドブ川沿いのバラック生活が始まる。極貧状態の中、働く母の代わり幼い妹の世話をしながら育った。

中学卒業後、三菱長崎造船技術学校、長崎市立高校(定時制)を経て、明治大学第二文学部卒業。江戸川区立小松川第二中学夜間部に14年勤務。その後、足立区立第九中学校を経て、同区第四中学夜間部勤務。2006年定年退職、現在に至る。

内容:路地裏のアメイジング・グレイス

日本の学校制度に夜間中学は存在しない。制度上ないはずの夜間中学校に集まる人々は 「文字」が苦手だ。手はゴツゴツ、骨が変形している人も多い。
それだけではない。悲惨、貧困、偏見、差別など社会や国の不条理を背負わされる。

彼らは屈託がなく、温かく、分かち合える小さな幸せを探している。

夜間中学の窓から見える日本の戦後70年の姿はどんな形なのだろうか。

I shall possess, within the veil, A life of joy and peace.
〔私は、来世で得るものがあります。それは、喜びと平和の命です。〕

夜間中学生と松崎さんに、アメイジング・グレイス(J・ニュートン作詞)の一節をここに捧ぐ。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第33回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター第一会議室(3F)

日時:2015年3月28日(土)午後2時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:刈屋高志(農業)

内容:就農4年目の泣き笑い

就農して早4年。
「遊び人の刈屋じゃ きっと農業は続かない」と言われながら、経験した4度の秋。

気づけば家族が増え、弟はベネズエラへと旅立っていった。
いまだに野菜のことはよく分からない。でも畑の上で七転八倒した 全ての経験が肥しとなる。それだけは分かってきた。

乞う、ご期待!!

皆様、お気軽に参加ください。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第32回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター第一会議室(3F)

日時:2015年2月28日(土)午後2時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:渡辺嶺也(青年)×稲垣尚友(民俗学研究・竹大工)

内容:青春のシーソーゲーム:“不安と快感”の中に座す

「ニンジンを目の前にぶら下げていない不安」と「明日、何をしでかしても構わない、という快感」とのシーソーゲームの中に座す青年渡辺嶺也。

自分が自分らしく生きるチャンスをどう見つけて行くか? 青年渡辺嶺也が稲垣尚友と対峙する。

乞う、ご期待!!

皆様、お気軽に参加ください。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第31回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター第一会議室(3F)

日時:2015年1月31日(土)午後2時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:稲垣一雄 (民俗研究者)

内容:昭和30年代初頭の佐渡島生活記録映画上映会

もう40年も前になろうか、佐渡島の宿根木を訪れた。彼の地の「民俗博物館」で頭を思いっきりこん棒でドツかれた錯覚を覚えた。「なんだ、これは!?」

目の前には昨日まで使っていた温もりがのこるテレビ、トースター、扇風機、台所用品が雑然と資料として展示してある。いや、展示でなくまるで物置にほったらかしにしてあると言った方が的確だ。別の部屋には、仏壇が所狭しと積まれている。その間に小学校の卒業証書、消防団の感謝状、ちゃぶ台、薄汚れた箸と茶碗、食器類生活のありとあらゆる物が集められている。観おわったら、佐渡に暮らす人々の暮らしが薄ぼんやりと形になっていた。

これまで、歴史と言えば統治者、勝者の歴史ばかりを見せられてきた。だが、この博物館は、支配者、勝利者の臭いがない。ただ、営々と暮らす草民のカビの生えた臭いがするだけだ。この視点がこれまでの歴史にはなかった、それを具体的に物で見せつけられて本当に目からウロコが落ちた。

この民俗博物館こそ、民俗学者宮本常一と地光妙光寺の林住職を始めとする多くの島民、そして少壮の民俗学者たちが協働でつくり上げたものだ。多くの展示資料がまだ現役で島民の生活の中で輝いていた昭和30年代初頭の宿根木と外海府の記録映画が残っていた。それまでの生活はある部分江戸時代と大して変わらない。

この映画から佐渡島民の喜怒哀楽が見え隠れする。乞う、ご期待!!

皆様、お気軽に参加ください。映画の後は、新しき年を寿ぎながら吉祥寺超有名居酒屋「いせや」で新年懇親会開催予定です。

ご参加をお待ちしております。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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トカラ塾からのお知らせ(2014年)

*第30回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA

日時:2014年11月29日(土)午後2時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:船木拓生 (劇作家)

内容:南方の音・声・歌

音は波動によって伝わる。伝えるためにはモノがなければならない。例えば空気、水、木質、身体。声は音の一種で、生物も、動物の器官が振幅して発する各個特有の音であり、生命活動の一環だ。歌は抑揚を付けた声であり、声に歌を聞くのは人間だけかもしれない。

聞くのは五官のうちの聴覚だ。波動は耳だけではなく、振動として触覚も感覚する。そして人間は植物、さらには無機物にも声を聞き、さらに歌を聞く。例えば「森の歌」、「岩の声」、「落日の音」等。これはあまい声(味覚)、くさい音(嗅覚)、暗い音色(視覚)などと同じで、ことばの修飾機能すなわち形容であり詩的比喩か。しかし、「沈黙を聴く」は実体験だ。「モノとしての音」もまた感覚体験に近い。

絶対音は「モノとしての音」を目ざしつづける。目ざすから律(規矩)を持つ作曲、作譜が原理的に可能になり、指揮(解釈)は恣意を越え、演奏にも厳密に正誤が成り立ちうるに違いない。

外界に向けて五官を弛緩させ、心身を無防備にさらしていられるのが南方だ。半醒半睡の心地で体感できる南方系の音声源を九つ、合わせて四十分ほどを集めてみた。海や陸地がそうであるような未分化の混合状態としての音宇宙だ。音が声となり、そしてことばとして成立するときに必要な条件(発音、語彙、文法ほか)がこの混沌中にたゆたっている。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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2014/11/09 定期更新

航跡:第20回ナオの南風語り:洋癖――トカラから考える、近代日本の「呑み込む」力/第24回南島学らいぶとーく:南島を駆け抜けた群像/第25回南島学らいぶとーく:フランスの教育と社会から民主主義を考える/第26回南島学らいぶとーく:中之島往還記2014.5.12~18/第27回南島学らいぶとーく:平島屋根普請記録2006――現代トカラにおける大規模共同作業と社会的連帯/第28回南島学らいぶとーく:少女まんがの作り方/第29回南島学らいぶとーく:サティと「フランス6人組」/古事記 中巻

*第29回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA

日時:2014年10月25日(土)午後2時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:神武夏子 (ピアニスト)

内容:サティと「フランス6人組」/古事記 中巻

エリック・サティは唯一無比の作曲家である。シンプルで白い音楽と呼ばれる音楽は、サティの変人ぶりと共に神秘にあふれている。またサティの精神を受け継ぎ、「祝祭と狂乱の日々」といわれる1920年代を生きた「フランス6人組」。彼らの音楽の魅力を、楽しんでいただきたい。

古事記は日本最古の歴史書であるだけでなく、112首の歌が収録された優れた文芸作品でもある。この知られざる音の世界を、ピアノと朗読で表現する。上巻は神話の世界を語っているが、中巻はこの世のお話になる。この機会にぜひ古事記の世界に触れていただきたい。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第28回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA

日時:2014年9月28日(日)午後2時開始
※9月27日(土)から変更になりました。ご注意下さい!

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:甘利博正 (元『別冊マーガレット』編集長、白泉社取締役[-2006年])

内容:少女まんがの作り方

戦後日本に生まれた少女まんがは、1950-60年代の揺籃期を経て、「24年組」およびその後続世代がデビューした70-80年代にその表現領域を飛躍的に拡大させた。

だが、数々の傑作の裏側にある編集者たちの働きについてはほとんど知られていない。『別冊マーガレット』(集英社)編集長および白泉社取締役として美内すずえ、くらもちふさこ、槇村さとる、岡野玲子、紡木たく氏ら錚々たる作家の活躍を見守ってきた元少女まんが編集者が、まんが創造プロセスにおける「編集」の役割について明らかにする。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第27回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA

日時:2014年7月19日(土)午後2時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:豊田知孝(とよぼん)

内容:平島屋根普請記録2006:現代トカラにおける大規模共同作業と社会的連帯

2006年12月、トカラ列島平島で屋根の葺き替え工事が行われた。商品経済の浸透とインフラ整備以降、島の生活は大きく様変わりした。だが、こうした大がかりな仕事には、やはり島ぐるみの協力が欠かせない。

1970年代に同島に住んだ稲垣尚友は、すでに綻びを見せていた島の共同作業について、綿密な記録を行った。それからおよそ40年、現代平島の人々はいかにして連帯し「社会」を紡いでいるのか? 屋根普請現場のミクロなリアリティからこの問いに迫る。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第26回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA

日時:2014年6月28日(土)午後2時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:加藤芳朗(トカラ塾青年団)

内容:中之島往還記2014.5.12~18

フェリーとしまが出港してから1 時間程経った。時刻は深夜0 時前。夕方の荷下ろしの時はどしゃ降りの雨だったが、いま雨は降っていない。よいしょっと船の甲板に設置されたベンチに腰を降ろした。呑み過ぎた。荷下ろし後の宴会での酒がぐるぐるとしている。

トカラ列島に渡るのは3 度目だが、中之島に行くのは初めてだ。どんな人に会えるのか、どんな場所なのか、楽しみな気持ちと同時に、少し憂鬱な気持ちもあった。自信がない。何にも気づけず、何も観れないままに終わるのではないか。「気負いしても仕方ないか……」と自分に言い聞かせるものの、漠然とした不安をどうにもできずにいた。気を紛らせようと、測量士補試験のことやそれに係る数学の概念のことを思念するが、どうにも落ち着かない。

フェリーとしまは暗い海を進んでいった……


島へ渡る前はそのような心持ちではありましたが、旅の内容自体はとても充実したものとなりました。当日は現地で撮影した写真と共にその中身を報告したいと思います。参加者の皆様と話が盛り上がることを楽しみにしています。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第25回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA

日時:2014年5月31日(土)午後2時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:飛幡祐規(フランス在住作家、翻訳者)

内容:フランスの教育と社会から民主主義を考える

自分で考えられる人間に育てるにはどうするか?

消費経済に呑み込まれることなく主体的に生きる。競争主義や効率主義の風潮に抗して、人生を豊かにする「歓び」「美しきもの」を感じる鋭敏な感性。他者との差異を発見するおもしろさを伝えることこそ教育ではないか。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第24回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA

日時:2014年4月26日(土)午後2時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:沢株正始(編集者)

内容:南島を駆け抜けた群像

太平洋戦争後、大陸や南方の戦場から引き揚げてきた兵士や軍属の回顧談、「王道楽土」の夢破れてからくも舞鶴に辿りついた民間人の逃避行は、いわゆる戦記物として数多く出版されている。

しかし、明治の初年から個人として南方に「雄飛」した人たち、あるいは植民の名のもとに集団移住した人たちに光が当てられることは少なかった。

明治維新以来、近代化の歩みのなかで発展を遂げてきた日本の歴史の影に、「南進」のスローガンに踊らされ、人生を翻弄された有名無名の人たちがいた。「南洋探検」の著名人には田口卯吉(『日本開化小史』、南洋商会)から始まって、鈴木経勲(『南洋探検実記』)、菅沼貞風(『平戸貿易史』)などがいる。

南方志向には「殖産興業・富国強兵」に背を向けた遁世派もいる。中島敦(文学者)や土方久功(美術家)である。あるいはまた、原地民(南洋土人!)と結婚し島の人となった森小弁(1930 年代後半のベストセラー漫画『冒険ダン吉』の主人公に擬せられた)、クリスチャンの開拓伝道師、梅森豪勇などもいる。意思など無縁に渡った「からゆきさん」の存在も忘れられない。

南海に生き、消えた多様な姿に思いを馳せると、そこに残影を越えた「南への夢」が浮かび上がり、現代に重なってくるようだ。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第20回ナオの南風語りのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター第2会議室(3F)

日時:2014年3月29日(土)午後2時開始

費用:持てる者は持てるだけ(カンパ制)

講師:稲垣尚友(竹大工・作家)

内容:洋癖――トカラから考える、近代日本の「呑み込む」力

幕末から明治維新にかけて、怒濤のごとくに西欧の文物がこの国に入ってきたのだが、その激流を受け止める側の国が、素手で立ち向かったわけではない。受け皿としての「洋学」は、早くから用意されていた。早い順に挙げれば、室町期にはすでにアルキメデスを理解していた日本人もいた。これは、南蛮渡来の宣教師がもたらしたものである。

今回とりあげる時期は19世紀後半以降である。受け皿がどのように用意されていたか、その西欧思想をどのような形で消化しようと試みたのか? 個々人の事績を掘り起こすことで、その端緒に就きたい。馬場佐十郎とロシア人のゴローニン、森有礼とその妻の広瀬常、内村鑑三とその弟子の佐藤宗次郎、長岡半太郞と外国雇い科学者といった、対になっている縦横の関係に触れることで、洋学の消化力を問う。あまりの積極的な消化行為が、「洋癖」として指弾された者もいる。

一方、その同時代にトカラでは何が起こっていたか? セントヘレナに流されていたナポレオン3世にいち早く琉球の報告をしたイギリス使節団だが、トカラの報告はしなかったのか? それと前後して、琉球からフランスに戻った宣教師が、琉球の後ろ盾である小国にトキャラ(トカラ)があるとの報告をしている。トカラ列島の南端に位置する宝島ではイギリス商船の乗組員と銃撃戦が起こり、それが幕府をして外国船打払令を敷かせることになった。では、こうした交流が島に「洋癖」をもたらすことはなかったのか?

いままさに、周縁から「洋癖」探査の手が下されようとしている。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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2014/03/01 定期更新

航跡:第21回南島学らいぶとーく:多摩百姓 山崎家の昭和ALWAYS/第23回南島学らいぶとーく:無縁としての島:近代日本最辺境における〈都市〉的社会性の生成

*第23回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター第2会議室(3F)

日時:2014年2月22日(土)午後2時開始
※今年より午後2時開始です。

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:橋爪太作(社会学研究者、島嶼社会論)

内容:無縁としての島――近代日本最辺境における〈都市〉的社会性の生成

トカラ列島諏訪之瀬島。19世紀初めの大噴火によって人間の居住が一時途絶したこの島は、その後奄美大島からの政治亡命者たちによって再開拓され、さらに20世紀後半にはカウンター・カルチャーの中心地になるという、きわめて数奇な運命をたどってきた。

最辺境であるはずのトカラ列島で、何故かいつも時代の最先端が漂着してきた諏訪之瀬島の謎に迫る!

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*第22回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:吉祥寺本町コミュニティセンター第一会議室(3F)

日時:2014年1月25日(土)午後2時開始
※今年より午後2時開始です。

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:山崎繁(農業者)

内容:多摩百姓 山崎家の昭和ALWAYS

私の生まれた家は、明治12年7月に政府が発行した地券によると 「神奈川県多摩郡入間村字滝坂……(現調布市東つつじヶ丘一丁目)」 と表記されています。

ここには先祖が1710年ごろから住人でいたことが、墓誌から伺うことができます。 祖父や父から聞いたことや自分が育ったなかで、まわりの変遷も見てきました。 昭和30年代からはじまった経済成長によりまわりの家がいかに存続したか、 できなかったか。

そして、当家がどのようにして続いてきたか、その変遷を考えてみました。

備考:新年会兼ねて終了後懇親会を開催します。
【会場】吉祥寺駅周辺の居酒屋 【時間】午後4時30分ごろから2~3時間 【懇親会費】3000円前後
※懇親会のみ参加の方は当塾メールアドレスにご連絡ください。

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トカラ塾からのお知らせ(2013年)

2013/12/29 定期更新

航跡:第19回南島学らいぶとーく:アジアの大道商人/第18回ナオの南風語り:半田正夫証言集 Part2 - 戦後は密貿易と開拓から始まった/第20回南島学らいぶとーく:松本昌次 戦後出版史証言/第21回南島学らいぶとーく:閉ざされた島々、開かれた海/第19回南島学らいぶとーく:サンカという虚像

南島資料室:「岩本社会学プロジェクト」を追加しました。

籠屋新聞:『河原通信』第3号を追加しました。

*第21回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA

日時:2013年11月23日(土)午後3時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:吉田浩之(元編集者)

内容:閉ざされた島々、開かれた海

東松照明らの写真、竹中労の著作、そして沖縄民謡 に導かれ、80 年代半ばごろ、最初に沖縄を訪れました。

最初の沖縄行で感じたのは、かつての日本がここにあるいう既視感と、ここは日本ではないという相反するどこか落ち着かないものでした。

以降の沖縄巡りはその直感を確認するためだったような気がしています。そのことを知るために南島に関する書物を読んできました。

最近は琉球孤(外部も含め)における習俗・文化のさまざまなレベルでの連続性と断絶、そしてその折り重なりといったことを考えています。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第19回ナオの南風語りのお知らせ

場所:ギャラリーGALA

日時:2013年10月26日(土)午後3時開始

費用:持てる者は持てるだけ(カンパ制)

講師:稲垣尚友(竹大工・民俗研究家)

内容:サンカという虚像

誰が最初にサンカというコトバを使ったのか、断定はできない。ただ、そのコトバを巷間に広めたひとりに柳田国男がいることは間違いない。柳田国男の漂泊民への関心の深まりは1911年(明治44年)に、南方熊楠宛の書簡に出てくる、イタ カ、カハタ、サンカの語を使用して以降のようだ。

柳田国男は、さまざまな職業の普通人の体験と知恵を土台骨として、民俗学をうちたてた人である。普通人の暮らしを学問の対象に据えたことは画期的な試みであったことには違いない。学問が、一部の知識階級の専有物であったことへの反省から、「常民の学問」を説いたわけだが、その資料収集法は、下部から上層部への上奏に近い。農政官僚の柳田を迎える地方役人は袴を羽織って出迎えている。

その情報は、柳田国男の透徹した分析力によって、次々と論文として発表される。その論は絶大であり、やがてバイブルと化す。権威付けられた「サンカ」のコトバが一人歩きを始める。箕直しであろうと、箕作りの民であろうと、すべてがサンカの一族ということになりかねない。三角寛の『サンカ社会の研究』(1965)の出版が、そうした動きに拍車をかけた。また、警察用語としても「サンカ」は特別な意味をもつようにしむけられた。

そうしたお膳立てが整えられた上で、九州山地の、旧蘇陽町(現、山都町)の滝下がサンカ集落として捏造されていった。その地に明治以降に、隣村の諸塚村字七ツ山の農家の二、三男が、世活の安定を求めて住み着いているが、かれらこそ、サンカの源流からの流出民であると、決めつけられ、民俗学のセンセイが学生を引き連れて“源流調査”に入ってくるようになった。七ツ山にも滝下にもサンカというコトバはない、ということを考えもしない。

……「サンカ」と称されたある集落をめぐり、民俗学が連綿と創りあげてきた虚像を、地を這う緻密な調査によって打ち砕く。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第20回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA

日時:2013年9月28日(土)午後3時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:松本昌次(編集者)

内容:松本昌次 戦後出版史証言

松本昌次さんは1927年生まれ。53年に未來社に入社し、丸山真男『現代政治の思想と行動』をはじめとして、埴谷雄高、花田清輝、藤田省三、廣末保、木下順二ら同時代を代表する思想家・文学者の著作を手がけられています。

時代を形どった思想の生成現場に居合わせたそのご経験はきわめて濃密かつ貴重なもので、いわば戦後という時代の生き証人とも言うべきものがあります。

戦後日本という時空間がさまざまな形で問い直されている昨今ですが、かつてその時空を創った人々の希望と情熱を、そこに直接関わった方からお聞きすることは、ともすれば刹那的な言説が氾濫する私たちの現在を、はるかな視線で見直すきっかけともなり得るのではないでしょうか。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第18回ナオの南風語りのお知らせ

場所:ギャラリーGALA

日時:2013年7月27日(土)午後3時開始

費用:持てる者は持てるだけ(カンパ制)

講師:稲垣尚友(竹大工・民俗研究家。トカラ列島中之島に在住している半田正夫氏のライフ・ヒストリーを研究)

内容:半田正夫証言集 Part2 - 戦後は密貿易と開拓から始まった

太平洋戦争終結後、北緯三十度以南はアメリカの軍政下に入った。トカラの島々は日本本土から切り離されて、血縁者への面会はおろか、本土へ働きに出ることもできない。

閉じ込められたなかで、まずは食糧の確保が急務である。原生林の開拓が始まる。軍資府の指導もあって、最も大きい中之島に、さまざまな人が吹き溜まる。まるで、人種のルツボと化した。また、現金収入を得るために密貿易にも励んだ。

そうした暮らしの先頭に立って働いたひとりの男の証言である。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第19回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA

日時:2013年6月29日(土)午後3時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:和賀正樹(編集者、大道商人記録者)

内容:アジアの大道商人

昭和30年、40年代――。まだ、スーパーマーケットは珍しく、コンビニやファミレスは影も形もなかった。

しかし、路上には、むき出しの庶民の営みがあった。

道を、遊び、食堂、学び、社交の場とし、天下の公道から日々の糧を得る人びとの姿が当然のようにあった。

わたくしの育った熊野・新宮ならば……魚の行商、傘の修繕、くず鉄買い。夏ならワラビもち、冬ならお好み焼きの屋台も。

インドでは、道に生まれ、道に屍をさらす人びとの群れがいた。

 

家族を食わしていくぞ。世間と伍してやるぞ。身を立てるぞ。店舗もなく小資本だけど、知恵と工夫で世の中を渡ってやるぞ。

そんな不敵な面魂の彼らが日本から消えていった(仔細に見て行くと、現代でも、豆腐の引き売りの野口屋など、新しい種類の大道商人が生まれています)。

思えば高島屋、丸紅、伊藤忠……。近江商人も、はじめは天秤棒ひとつのボテフリから始まった。

ムシロ1枚の露店、傾いた屋台から、明日の財閥が生まれることもあるはずだ。

谷川健一さんの「小さき神々」に倣っていうならば、「小さき人びと」は、やがて近代化著しい東南アジアからなくなっていくだろう。

いまのうちに、見てみよう。近代化=西洋化=民主化なのか。近代を呪詛しつつ、90年代の終わり、ザックをかついで野良犬のように、与太歩きを始めた。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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2013/06/28 定期更新

航跡:第17回南島学らいぶとーく:シェアハウスの住人たち/第18回ナオの南風語り:山村集落の人と暮らし〜あるいは、むらを離れて暮らすということ〜

南島資料室:「稲垣尚友著作リスト」に『職人の技に学ぶ竹細工』を追加しました。

籠屋新聞:第38号を追加しました。

2013/02/24 定期更新

航跡:第15回南島学らいぶとーく:70-80年代の香港・東南アジア・華僑/第17回ナオの南風語り:平島掘削工事第二期

*第18回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA

日時:2013年5月12日(日)午後3時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:大久保実香(現代山村研究者)

内容:山村集落の人と暮らし:あるいは、むらを離れて暮らすということ

ベランダからディズニーランドの花火が見える、東京郊外の団地で育った。幼い頃から、自給自足の山の暮らしに憧れていた。

5年前から、とある山の村の暮らしについて調査を始めた。その村を訪れると、みんなが集まって何やらしているという場面によく出会う。できることは自分たちでやるという心意気、実際に成し遂げてしまう知恵と技術は、心底かっこいい。ただ、この村に子供の声が響くのは、孫たちが帰省した時だけだ。村育ちの若い世代のほとんどは、町へ出て仕事をしている。たった三世代の間に、その暮らしの在り様はどれほど変わったことだろう。

ふと、私の家族のことを考える。村で暮らす老夫婦に私の祖父母を、村を離れた世代に私の親を、町育ちの子供たちに私自身を、重ね合わせる。

ナオさんとの出会いは、臥蛇島の無人化について彼が書いた文章だった。村を、島を、離れて暮らすということ、それを取り巻く背景と感情の機微について、考えたい。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第17回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA(リンクをクリックすると新規ウィンドウでGALAの地図が出ます)

日時:2013年3月30日(土)午後3時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:向島シェアハウスの住人たち(人数不定)

内容:シェアハウスの住人たち

「なんで、ひとりで住めないの? 寂しいの?」

寂しさは若者の特権。ひとり暮らしはジジババの特技。ひとつ屋根の下で暮らすことは、「同じ釜の飯を食う」と同義ではない。各自が外食して、寝に帰るだけだって、りっぱな「ひとつ屋根の下」である。村社会が大手を振っていた時代の若者宿ならば、年かさがいくらも違わない年長者がいて、「昔からのおらがムラの掟だから……」と、大きな顔をして、同宿者の自由な外出を制限した。どこで、誰と何をしようと、同宿者の行動に茶々を入れないのが、我がシェアハウスの住人たちである。

先のないジジバアの話は、このさい、省こう。この乱世を向こう岸まで泳ぎ切るにはどうすればいいのか、そのことをコトバにして表せるぐらいなら、苦は飛んでいくのだが、世の中、なににつけ、時間がかかるものだ。無言の者同士がツバのかかる距離にいるだけでも、救われるのである。住人の動きが指針になったり、「俺よりも惨めなヤツだ」と写ったならば、こちらの勇気づけにすらなるのだった。

まあ、そんなけちくさい計算は抜きにしても、のたうち回る仲間の姿は、いとおしく、また、美しいものである、と思いたい。生涯をこの面子で過ごすわけでもなし、ひとさまに迷惑かけるわけでもなし、何をやってもいいではないか。ソロバン抜きでのたうち回る者たちこそ、時代の申し子である、と誰かが叫んでいた。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*第16回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA(リンクをクリックすると新規ウィンドウでGALAの地図が出ます)

日時:2013年3月2日(土)午後3時開始

費用:持てる人は持てるだけ。持てない人はそれなりに。(カンパ制)

講師:橋爪太作(社会学研究者)

内容:根を持った翼たち:諏訪之瀬島と日本のカウンター・カルチャー運動

1960年代後半のカウンター・カルチャー運動は、近代の矛盾が極限に達したアメリカ合州国に端を発し、瞬く間に世界中に波及した。高度経済成長にひた走る日本でも、多くの若者が都市を捨て、人里離れた辺境に自分たちの理想社会をつくろうとした。彼らの一部はトカラ列島諏訪之瀬島にたどり着き、そこに「バンヤン・アシュラム」なるコミューンを築いた。それは、神の共同体を求めて新大陸を目指した初期近代清教徒たちの情熱が突如甦ったが如き、〈超越〉を目指すユートピア運動であった。

だが当初の希望と熱狂が退き、集団的防壁としてのコミューンが解体していったとき、あくまで諏訪之瀬島にとどまることを選んだ彼ら彼女らは、「島」そして「近代」とまともに向き合うことを余儀なくされた……。

 

次回のトカラ塾では、スワノセコミューンの発生と終焉、そして現在に至る諏訪之瀬島の歴史をお話しし、さらに可能ならばそれらが現在の私たちにいかなる意味を持つのかということも考えたいと思う。

未熟な夢は、産み落とされたまま砂にまみれて転がるしかない。けれども、現実に向き合った夢がどんなに無残な傷まみれになろうとも、夢が夢として生きている限り、それは微力ではあっても無力ではない。夢の残骸のなかには必ず未来へ向かう希望が含まれてるからこそ、私たちは過去を過去として認識することができるのではなかろうか。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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トカラ塾からのお知らせ(2012年)

*第17回ナオの南風語りのお知らせ

場所:ギャラリーGALA(リンクをクリックすると新規ウィンドウでGALAの地図が出ます)

日時:10月27日(土)午後3時開始

費用:持てる者は持てるだけ(カンパ制)

講師:稲垣尚友(トカラ塾塾頭)以下、トカラ塾平島ツアー参加者一同

内容:平島掘削工事第2期

今年9月、4度めのトカラ塾平島ツアーが挙行される。前回は若者中心のタビだったが、今回はぐっと平均年齢が上がって中高年中心だ。

世代や年齢が違えば、それぞれ島に見出すものも違う。人生不惑を迎えんとする(あるいはもう迎えてしまった)トカラ塾壮年団は、平島に一体何を見たのか!?

今回の南風語りでは、現地で観測した映像資料なども豊富に使いつつ、ヴィヂュアルかつヴィヴィッドにタビの報告をする予定である。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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2012/09/01 定期更新

航跡:第16回ナオの南風語り:1200/1の男――半田正夫出征記&ナナツヤマ開拓記/第13回南島学らいぶとーく:三陸沿岸寸描――35年前の写真から/第12回南島学らいぶとーく:リーマンショック――アメリカ進出日系自動車部品メーカーの活躍と実態/第11回南島学らいぶとーく:「贈与」を考える――マルセル・モースの竹薮から

籠屋新聞:『痴報籠屋新聞』第36、37号、第14号号外、『八百屋新聞』第3号

*2012/09/29 第15回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA(リンクをクリックすると新規ウィンドウでGALAの地図が出ます)

日時:9月29日(土)午後3時開始

費用:持てる者は持てるだけ(カンパ制)

講師:石塚雅彦(元日本経済新聞香港特派員)

内容:元日本経済新聞香港特派員が語る 70-80年代の香港・東南アジア・華僑

英領直轄植民地だった香港は、当時閉ざされていた共産中国への覗き窓として、多くの中国専門家や記者がたむろする場所だった。

だが、1970 年代後半に日本経済新聞の特派員として同地へ赴任した石塚雅彦氏は、皆とは逆に南の東南アジアへと熱い視線を注いだ。

フィリピン・マレーシア・タイ・シンガポール・インドネシア――多島海に拡がる国々はようやく開発が始まったところで、もっと立ち遅れたインドシナ3国、ビルマには外国人は自由に立ち入ることも難しかった。しかし、華僑たちはいつの間にかそれらの地に根を張り、経済活動の根幹に食い込んでいた。

知っているようで知らない、ちょっと昔の東南アジアの物語。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*2012/07/28 第16回ナオの南風語りのお知らせ

場所:ギャラリーGALA(リンクをクリックすると新規ウィンドウでGALAの地図が出ます)

日時:7月28日(土)午後3時開始

費用:持てる者は持てるだけ(カンパ制)

講師:稲垣尚友(竹大工・民族研究家)

内容:1200/1の男――半田正夫出征記&ナナツヤマ開拓記


問:半田正夫とは如何なる人か?

答:昭和19年に応召して、南方に向かう。3500人が詰め込まれた船が米軍の魚雷で沈む。大時化のバシー海峡で兵が次々と溺死する。が、半田さんは九死に一生を得る。助けられた数日後、またも魚雷にやられる。これも救出される。

ルソン島に上陸した後は、ジャングルの中を、食料補給を断たれたまま、現地人ゲリラと米軍の総攻撃に逃げまどう。同僚がバタバタと倒れるなかで、怪我ひとつしない。

半田さんに「1200分の1」というあだ名が付けられた。同期兵が1200人いたなかでの希少な生き残りであった。

復員後は郷里の奄美から内地に向かうが、北緯30度を境にして、日本から切り離されてしまった。通航がままならないから、途中のトカラの中之島のナナツヤマの浜に上陸する。そこに内地を目指す人間たちが次々と吹き溜まっていく。食うための開拓が始まった。半田さんが語る「ナナツヤマ開拓団群像」は、まさに“人種のるつぼ”である。

尚友塾頭はこの特異な人物のライフ・ヒストリー作成に数年来携わってきた。今度の南風語りでは、その成果の一端を江湖の諸氏に公開する予定である。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*2012/06/30 第13回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA(リンクをクリックすると新規ウィンドウでGALAの地図が出ます)

日時:6月30日(土)午後3時開始

費用:持てる者は持てるだけ(カンパ制)

講師:森本 孝(民俗研究者兼前期高齢者型フリーター)

内容:三陸沿岸寸描――35年前の写真から

三陸沿岸を旅したのは昭和51年と53年。53年は長途の旅となり、下北半島 から気仙沼までの沿岸を駆け足で巡りました。下北や三陸沿岸漁村で使用されている木造漁船や漁具を見ておくことや、その収集が目的でした。

やや長く滞在したのは平成元年から平成2年。都合3週間ほどを宮古市の村々で過ごしました。

今回のトカラ塾では、これらの旅の間に撮影した写真群の中から選んだ写真をお見せいたします。皆さまの参加をお待ちいたしております。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*2012/05/27 第12回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA(リンクをクリックすると新規ウィンドウでGALAの地図が出ます)

日時:5月27日(土)午後3時開始

費用:持てる者は持てるだけ(カンパ制)

講師:安達明(元自動車部品メーカーアメリカ法人経営者)

内容:リーマンショック――アメリカ進出日系自動車部品メーカーの活躍と実態

日本の自動車メーカーはケイレツ化されメーカーから外れた部品メーカーが 新たに取引することはほとんど絶望的であった。安達が勤務するスプリング会社もそんなメーカーの一つであった。

1980年年代初頭、このままでは、会社も従業員も明日は拓けない。取締役として毎日、安達は東奔西走していた。

1986年6月当時世界一の自動車メーカーゼネラル・モーターから会社視察したいと連絡が入った。GMのトランスミッション用の精密コイルを現地米国に工場を建てて納品をしてほしいとの要求である。

中堅のスプリング会社としてはおいそれとは乗れない話である。しかし、米国進出の千載一遇のチャンスでもある。社運をかけてデトロイトに現地法人を設立し進出を決定した。社長は安達と決定され。現地法人は従業員わずか50人の小企業であった。

月商150万ドル。当然覚悟の上の赤字経営である。GMのみならず日系企業をはじめアメリカ企業に販路を拡大してなんとか会社も軌道に乗り、現地経営者を降板した。その後、リーマンショック、GM倒産という荒波をうけながら会社は業績をあげていた。昨年、アメリカに行く機会があり、その見事な成長ぶりを見て安堵をおぼえた。

今回の話は、中堅会社の海外進出の実態とアメリカのリーマンショック前と後の世相などを交えて話したいと思っています。 また、アメリカ滞在中に経験したアメリカ人の生活などにも触れたいと思っています。皆さまの参加をお待ちいたしております。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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*2012/04/28 第11回南島学らいぶとーくのお知らせ

場所:ギャラリーGALA(リンクをクリックすると新規ウィンドウでGALAの地図が出ます)

日時:4月28日(土)午後3時開始

費用:持てる者は持てるだけ(カンパ制)

講師:船木拓生(劇作家)

内容:「贈与」を考える――マルセル・モースの竹薮から

義理チョコを断るのは絶交宣言に近い。お歳暮はお世話になった方への御礼の気持の表現、つまりお返しであり、今後も変わらぬ世話を下さいとの要請だ。

ワイロはお返しを先に済ます贈り物の保証だ。サンタは父が良き子らへのみ与える交流の使者だ。

贈り物はお返しが期待されて存在する。このメカニズムを理解したところでヒトがヒトになったのではないか。母乳の赤子への授乳は贈り物(給付)ではないだろう。

お返しがないときは一方的消費であり、それでは「資源」が枯渇し、贈り物がなくなってしまう。この世における生命活動の循環がなくなるということだ。朝まだき竹藪を越えて飛んできたのは大根だったが、今ここで、エントロピーがハン竹に通過してきた。

広場に集まって獲物を平等に分配するのは、それが贈り物だからだ。贈り主は獲物の稼ぎ手ではない。稼ぎ手は贈り主によって使用された「手」であり、「手」であることによって広場の賞賛を贈られる。

収穫祭や熊祭りは贈り主への感謝を捧げる儀式であり、供物はささやかなお返しだ。贈り物と物々交換はどういう関係にあるのだろうか。

共同体(私のシマ)には境界があり、そこで異界のヒトと接触し、贈り物を交換し交流になる。また境界で物々交換が盛んになり、商取引が成立する。第三者が介在し、商人が発生し、貨幣が通用するようになり、信用そのものが独立すると為替の類になるし、銀行もでき、そして国境(通貨域)を利してマネーゲーム(および金融破滅)をもたらした。

「戦争は政治の一形態である」と喝破したのは、十九世紀初頭のプロシャの軍人だった。共同体の存在が領域を条件にするかぎり紛争は必然だろう。妥協(=政治)による決着までの力比べが戦争だ。

だから紛争は交流の一形態であり、贈答の一形態だから、お互いに復讐を必然視している。贈与関係は相手が絶滅しないかぎり続く。物々交換はどちらかが不満なときには成立しない。

贈り物自体によるエコノミー(経世済民の合理)というのがあるのではないか。第一次世界大戦が求めた賠償はあるべき贈答(形態)を越えたことによって「破滅」をもたらした。

天災の字義は天が人間に与えた災いだ。天による負の贈与だ。古来、天は人の奢り、傲慢にたいして厳しかった。今、あちこちから聞こえる「絆」は、天に対してする、無力なる人の側からのせめてものお返しなのだろう。

しかし地空を翔ける放射能は天災ではない。原因を人が造り、従ってまた当然、それを除去できる。これの贈り主は東電であり、これに知恵を付けた学者と推進してきた政治家らだ。

彼らとの絆はありえない。何に対する誰らによる絆か、だ。お返しはやはりきちんとしなければならない。パールハーバーのお返しの軍事基地へなにを贈るか、すでに南島の意思は決定している。

トカラに発した南風は『贈与論』によって渦巻きを起こした。そのダイナミズムが参会者の「ブレイン・ストーミング」を誘発することを願っている。

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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2012/03/28 定期更新

航跡:第10回南島学らいぶとーく:久高島&大沖神島訪問記/第15回ナオの南風語り:ナントナク、宮沢賢治

*2012/03/24 第15回ナオの南風語りのお知らせ

場所:ギャラリーGALA(リンクをクリックすると新規ウィンドウでGALAの地図が出ます)

日時:3月24日(土)午後3時開始

費用:持てる者は持てるだけ(カンパ制)

講師:神武夏子(ピアノ)、稲垣尚友(朗読)

内容:ナントナク、、、宮沢賢治

宮沢賢治は多くの詩や物語とともに、いくつかの美しい楽曲を残していることはあまり知られていません。今回の「ナオの南風語り」では、稲垣尚友による詩や物語の朗読と神武夏子によるピアノ演奏で、賢治の世界を言葉と音でお届けします。

[朗読とピアノ(稲垣尚友・神武夏子)]
●『春と修羅』より春と修羅、永訣の朝、冬と銀河ステーション
●星めぐりの歌
●ポラーノの広場
●雨ニモマケズ

[ピアノ(神武夏子)]
●合唱曲より(林光)
●3つのノヴレット、インテルメッツォ 変イ長調(フランシス・プーランク)
●ピアノ小品より(エリック・サティ)

[朗読(稲垣尚友)]
童話集

備考:終了後懇談会あり(会費2500円前後)

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